DeFiの世界では、TVL(Total Value Locked : 預かり資産)がエコシステムの実行可能性を測定するための主要な方法となっている。
しかし、Multicoin Capitalのマネージングパートナー Tushar Jainによれば、ブロックチェーンやそのアプリの成功を測るには不十分であり、TVLは役に立たない指標であるだけでなく、注目するのは有害だと主張する。
「TVLは実際の値より2倍、3倍、4倍とカウントされている。
スマートコントラクトに入金すると、それに対する入金を担保するトークンが手に入る。
そのトークンを次のコントラクトに預けて、また次のコントラクトに預けて……。
このようなことを連続して実施することで、TVLが人為的に増え続けることになる」と彼は説明する。
また、TVLは資産の流動性を考慮していないため、高TVLを主要な売り物として宣伝する非常に流動性の低い時価総額の高いプロダクトを容易に作ることができると主張する。
ただし、TVLには重要な利点があるとすると、簡単に測定できることだ。
しかし、データを見るのであれば、最も簡単な指標ではなく、重要な指標を使うべきである。
本当に重要な唯一の指標は、「新しいDeFiを構築する人々と、それを利用するユーザー数」であり、そのほかは単なる派生物である。
DePINでのマッピングや、AI用にGPUを提供したり、USDCの支払いを利用したり、いずれの行動の先には、そのチェーンでアセットを取得する人がいる。
DeFiが使われるのは、TVLが高いからではなく、それが一番安くて便利な手段だからだ。
TVLに注目するのは本末転倒だ。